この記事では、小学校5年生の算数で学ぶ割合について、文章問題の解き方を手順ごとに詳しく解説します。割合で出題される、文章問題の傾向もふくめて紹介しますので、解き方を覚えたい、また、子どもに解き方を教えたいお父さん、お母さんはぜひ参考にしてみてください。
小学校で勉強する「割合」の概要について
小学校5年生で学ぶ「割合」について、基礎からハイレベル問題まで、以下のようなカリキュラムがあります。
特にこの記事では、学校で良く出題される割合、比べられる量、もとにする量の3点を求める文章問題について、例題をもとに詳しく解説します。
割合の文章問題を解くポイントは?
ポイント1:文章を読み解く
計算問題は、目の前の数をただ処理するだけですが、文章問題の場合は、文章の中から問題が何かをつかんで、内容を理解し、それを処理するために数字を使う、という思考の順番が求められます。なので、文章問題を読み解くのは、算数というより国語の問題に近いイメージです。
また、割合の文章問題では以下の3項目を文章から見つけることがとても重要です。
なお、この3項目を文章から見つけるには、以下の3パターンがあることも覚えておいてください。
- 割合を求めるときは、もとにする量と比べられる量を見つけます。
- 比べられる量を求めるときは、もとにする量と割合を見つけます。
- もとにする量を求めるときは、比べられる量と割合を文章から見つけます。
このように、文章には必ず、求める項目と、答えを計算する2つの項目が記載されていますので、いかにこの3つの項目を文章から読み解くかが大切なカギとなります。
この記事の後半で、実際に例題から読み解くテクニックを紹介していきます。
ポイント2:割合の答えを求める方法を覚える
文章の中から3項目を見つけたら、答えを導くために数を計算します。
割合の文章問題で出題される3項目(割合、比べられる量、もとにする量)の関係は、それぞれ3つの式で成り立ちます。
1.割合=比べられる量÷もとにする量
2.比べられる量=もとにする量×割合
3.もとにする量=比べられる量÷割合
この式は、下のように『くもわの公式』と呼ばれる図で覚えることができます。
割合の文章問題で必要な式は3パターンだけです。ですので、この図を覚えておいて文章から数を当てはめれば簡単に解くことができます。
くもわの公式の使い方については、次の記事も参考にしてください。
ではさっそく以降から、文章問題の解き方について解説します。
「割合」をもとめる文章問題の解き方
ここからは、以下の問題の解き方について、手順を追って解説していきます。
【例題】
では、さっそく解き方をスタートします!
①文章を読んで問題を見つける
まずは文章を読みましょう。
ここで問われている問題は何か、それを見つけるよう読みます。
この場合、文章の最後に「割合を求めなさい」とあるので、この問題は「割合」を求める問題であることが分かります。
割合を求める問題ということが分かったら、残りの2つ「もとにする量」と「比べられる量」を文章から探し出します。まずは「もとにする量」を見つけてみましょう。
②「もとにする量」を見つける
「もとにする量」を見つけるには「~をもとにした」「全体の数は~」「全部で~」など、もとであることが分かるキーワードを探すと見つかりやすいです。
今回の文章では「シュートした回数をもとにした」とあるので、もともとのシュート回数である24回が「もとにする量」となります。また、もとにする量を見つけたら、数を丸で囲み「も」と書いておきましょう。
③「比べられる量」を見つける
最後に「比べられる量」を文章から探します。「比べられる量」を見つけるポイントは、もとにする量と比べている数を文章から見つけることです。
もともとのシュート回数に対して、比べるのは入った回数なので、入った回数の18回が「比べられる量」となります。見つけたら数を丸で囲み、「く」と書いておきましょう。
④割合を求める式を考える
3つの要素の関係を表す「くもわ」の公式を使って、割合の求め方を導きます。
今回、求めたいのは割合です。なので割合の「わ」の文字を隠すと「く÷も」が残ります。ですので、割合を求める式は「比べられる量÷もとにする量」であると分かります。
⑤式に数をあてはめて計算する
文章のそれぞれの数を「比べられる量÷もとにする量」に当てはめて計算すると、割合を求めることができます。
計算で求めた結果、割合は0.75でした。これでこの問題は終了です!
「比べられる量」をもとめる文章問題の解き方
ここからは、以下の問題の解き方について、手順を追って解説していきます。
【例題】
では、さっそく解き方をスタートします!
①文章を読んで問題を見つける
まずは文章を読みましょう。
ここで問われている問題は何か、それを見つけるよう読みます。
ここでは、もととなるさとう水に対して、比べているさとうの量を求めなさい、と書かれているので、「比べられる量」を求める問題であることが分かります。
さとうの量が「もとにする量」なのか「比べられる量」なのか分からない… という場合は、いったんそのままにして、ほかの数が書かれている部分をチェックします。すると、さとう水が「全部で」とあるので、さとう水が「もとにする量」だ、ということに気づきます。また、「25%」と書かれていれば、そこが「割合」であることに気づきます。そうしたら、残ったさとうの量は「比べられる量」であると言えます。
②「もとにする量」を見つける
「もとにする量」を見つけるには「~をもとにした」「全体の数は~」「全部で~」など、もとであることが分かるキーワードを探すと見つかりやすいです。
文章を読むと、さとう水が「全部で」とあるので、さとう水の量が「もとにする量」であることが分かります。見つけたら数を丸で囲み、「も」と書いておきましょう。
③「割合」を見つける
最後に「割合」を文章から探します。「割合」を見つけるポイントは、割合は〇〇、〇〇%、〇〇割といった割合の表現を文章から見つけることです。
文章を読むと「25%」とあるので、この数が「割合」であることが分かります。見つけたら数を丸で囲み、「わ」と書いておきましょう。
④百分率(%)を、割合(少数)に変換する
文章の表現が百分率(%)だったので、計算できるよう割合(少数)に変換します。
1%が0.01であることから、25%の小数点が左へ2つ移動して0.25となります。
⑤比べられる量を求める式を考える
3つの要素の関係を表す「くもわ」の公式を使って、比べられる量の求め方を導きます。
今回、求めたいのは比べられる量です。なので比べられる量の「く」の文字を隠すと、「も×わ」が残ります。ですので、比べられる量を求める式は「もとにする量×割合」であると分かります。
⑥式に数をあてはめて計算する
文章のそれぞれの数を「もとにする量×割合」に当てはめて計算すると、比べられる量を求めることができます。
割合は少数で当てはめることがポイントです。
計算で求めた結果、さとうの量は70gでした。これでこの問題は終了です!
「もとにする量」をもとめる文章問題の解き方
ここからは、以下の問題の解き方について、手順を追って解説していきます。
【例題】
では、さっそく解き方をスタートします!
①文章を読んで問題を見つける
まずは文章を読みましょう。
ここで問われている問題は何か、それを見つけるよう読みます。
ここでは、比べている現在の身長に対して、もととなる入学時の身長を求めなさい、と書かれているので、「もとにする量」を求める問題であることが分かります。
入学した時の身長が「もとにする量」なのか「比べられる量」なのか分からない… という場合は、いったんそのままにして、ほかの数が書かれている部分をチェックします。すると、入学時のもともとの身長が基準となり、現在はそれと比べて145cm大きくなったことが分かります。また、その割合が125%増えているということも理解できます。ですので、入学時の身長が「もとにする量」、現在の身長が「比べられる量」と判断できます。
② 「比べられる量」を見つける
「比べられる量」を見つけるには、もとになる量と比べている数を探すと見つかりやすいです。
文章を読むと、もともとの入学時の身長と比べて、現在の身長が145cmとあるので、現在の身長が「比べられる量」であることが分かります。見つけたら数を丸で囲み、「く」と書いておきましょう。
③「割合」を見つける
最後に「割合」を文章から探します。「割合」を見つけるポイントは、割合は〇〇、〇〇%、〇〇割といった割合の表現を文章から見つけることです。
文章を読むと「125%」とあるので、この数が「割合」であることが分かります。見つけたら数を丸で囲み、「わ」と書いておきましょう。
④百分率(%)を、割合(少数)に変換する
文章の表現が百分率(%)だったので、計算できるよう割合(少数)に変換します。
1%が0.01であることから、125%の小数点が左へ2つ移動して1.25となります。
⑤もとにする量を求める式を考える
3つの要素の関係を表す「くもわ」の公式を使って、もとにする量の求め方を導きます。
今回、求めたいのはもとにする量です。なのでもとにする量の「も」の文字を隠すと、「く÷わ」が残ります。ですので、もとにする量を求める式は「比べられる量÷割合」であると分かります。
⑥式に数をあてはめて計算する
文章のそれぞれの数を「比べられる量÷割合」に当てはめて計算すると、もとにする量を求めることができます。
割合は少数で当てはめることがポイントです。
計算で求めた結果、入学時の身長は116cmでした。これでこの問題は終了です!
わりびき、わりましの文章問題の解き方
割合の応用問題となる「わりびき」「わりまし」の問題の解き方については、こちらの記事で詳しく紹介しています↓↓
まとめ:割合の文章問題の解き方を覚えよう
この記事では、小学校5年生の算数で学ぶ割合について、文章問題の解き方を手順ごとに詳しく解説しました。割合の文章問題について、解き方のポイントは以下となります。
- 文章中の「割合」「もとにする量」「比べられる量」を読み解く。
- 文章中の数字を使って式を立て、答えを求める。
- 使用する式は以下の3つ。
割合=比べられる量÷もとにする量
比べられる量=もとにする量×割合
もとにする量=比べられる量÷割合
文章問題は、何問も解くことでパターンを覚えることができます。ぜひこの記事を参考に、割合の文章問題を解く方法を身につけてください。
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