北アルプス穂高連峰にある岩場「ジャンダルム」は登山している人の憧れです。しかし、なんと茨城県にも北アルプスのジャンダルムにそっくりな絶景ポイントが存在しました!
この記事では、通称「茨城のジャンダルム」こと茨城県大子町の「生瀬富士」の登山コースや見どころ、危険な場所をまとめています。また、あの有名な日本三名瀑のひとつ「袋田の滝」を上から眺められる絶景ポイントも紹介します。初めて登る人向けに、コースの難易度や注意点を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事で紹介するルートは低山で短いコースですが、岩場やロープ、クサリ場、切り立った崖など、高度感のある危険なルートが存在します。初心者の方や小さいお子さんと登る場合などは、ご自身やご家族の技量とあっているか自己判断のうえ登山を楽しんでください。
茨城のジャンダルムとは
茨城県久慈郡大子町にある生瀬富士山頂から延びる岩稜滞の先に、「茨城のジャンダルム」とよばれる岩場が現れます。やせた岩稜は足元から両側が切れ落ちていて、スリリングな登山を体験することができます!もちろんそこからの眺めも折り紙付きですよ。
生瀬富士と袋田の滝の絶景
茨城のジャンダルムの西側に生瀬富士(標高406m)があります。岩稜帯のため高い木もなく、高度感のある360度パノラマが望め、日光連山や筑波山など見晴らしの良い絶景を楽しむことができる山です。
そして、このコースで外せない絶景として、日本三名瀑のひとつ袋田の滝を上からのぞき込む「滝のぞき」というビューポイントが。断崖絶壁で足がすくみそうになりますが、観光展望台からは見えない4段の滝を山上から見る、またとないチャンスです!
生瀬富士へのアクセス
■鉄道・バスでのアクセス
JR水郡線:袋田駅下車
路線バス:袋田駅 → 滝本 約10分
※バス停から登山口までは600mほどです!
■マイカーでのアクセス
常磐自動車道 那珂IC → 町営袋田第1駐車場までクルマで約50分
※駐車場から登山口までは200mほどです!
生瀬富士の登山口に近い駐車場
生瀬富士(茨城のジャンダルム)への登り口付近には、町営の無料駐車場が2つあります。近い順に紹介します。
①町営袋田第1駐車場
収容台数:約50台
駐車料金:無料
営業時間:24時間営業
トイレ:あり
登山口に一番近い駐車場です。生瀬富士の登山口まで約200mの距離にあります。公式サイトの案内では収容台数が50台となっていますが、実際は大型バスも利用しているので、普通車は実質30台ほどの収容台数となる場合もあります。そのためシーズン中や土日祝日は、わりと早い時間で満車となります。ここが満車の場合は町営袋田第2駐車場に停めましょう。
駐車場にはトイレも設置されています。登る前に済ませておきましょう。また登山情報も掲載されていますので、登る前に一読しておいてください。
②町営袋田第2駐車場
収容台数:約220台
駐車料金:無料
営業時間:24時間営業
トイレ:あり
町営袋田第2駐車場は、生瀬富士の登山口まで400mの距離にあります。第1駐車場とそこまで距離は変わらないですね。収容台数も220台とわりと広い駐車場です。しかし、紅葉シーズンや、袋田の滝が氷瀑すると観光客が多くなるので満車となる場合もあります。シーズン中は早めに来ておいたほうが無難です。
町営の無料駐車場は上記の2ヶ所ですが、袋田の滝付近には民間駐車場がたくさん営業しています。有料ですが合計約700台ほどの収容台数はあるので、いざとなったら利用するのもありです。
生瀬富士の登山適期
登山に適しているのは4月~12月です。そのなかでも個人的におすすめは、木の葉が落ちた11月、12月。夏のうっそうとした暗い山道とちがい、明るい木漏れ日が差し込む冬の山道は、登り始めからテンションがあがります。混雑もなく静かに景色を独り占めできますし。一方、1月~3月には雪が積もることもあります。必ず天気予報を事前に確認してから計画を立ててください。
生瀬富士のおすすめ登山コース
おすすめは上図にある赤線のコースです。
第1駐車場を起点とする周回コースで、茨城のジャンダルムはもちろん、生瀬富士・立神山を縦走し、最後に袋田の滝を一望する滝のぞき体験ができます。
歩行時間:約3時間10分(休憩除く)
距離:約5km
高低差:約300m
難易度:体力的には初級ですが、岩場があるので注意!
一方、滝のぞきから先に進む青線のコースもあります。
こちらも人気コースなのですが、滝上流の浅瀬を歩いて渡る(雨で水位が上昇しているときは迂回路アリ)ため、子ども連れや、濡れるのが心配な方は、赤線のコースがおすすめです。
全体として高度感のあるコースで、足元がすくみそうな場所もあります。が、コース自体はそこまで距離がないので、見方を変えれば、ビギナーの岩場体験にはうってつけのコースとも言えます。体力的に不安な方は、茨城のジャンダルムで折り返すと往復約2時間20分なので、ムリのない予定を立てることも可能です。
茨城のジャンダルムで危険なポイントと注意点
登山コースの危険なポイントはこちらです。
茨城のジャンダルム付近は危険なポイントが集中しているので、詳しくマップにしてみました。
- コース上に水場やトイレはありません。駐車場や道路沿いにある公衆トイレを利用しましょう。
- 茨城のジャンダルムまで切り立った狭い道や急な岩場といった危険な登山道があります。ロープが用意されている場所もありますが、通る時はロープに頼り切ることなく、安定した岩や、足場を確保しながら登下降しましょう。また、岩場の上り下りは両手を使って登り、ストックは使用せずしまっておきましょう。
- 茨城のジャンダルムまでは道の両側が切れ落ちた馬の背になっています。強風時は危険なため注意してください。
- 事前に雷が来ないか天気予報をチェックし、行動中に雷鳴が遠くに聞こえたら、油断せずすぐ下山しましょう。
- 必ず登山に適した服装や靴を装備しましょう。足首などひねらないよう慎重に行動します。
- 山林内では原則、火気の使用が禁止です。バーナーなどの使用は控えてください。
- ここの登山コースは、場所によっては踏み跡が複数あり、道迷いが生じやすくなっています。必ず地図を用意し、看板やピンクテープなど目じるしを確認しながら進んでください。
親子で登山するときの準備と注意点については、次の記事も参考にしてください↓↓
↓↓以降から登山コースを詳しく紹介していきます。
茨城のジャンダルム・生瀬富士の登山コース紹介
登山コースについて、実際の体験から、登山道の状況や、見どころ、注意点を詳しく紹介していきます。※2023年12月23日の状況です。
①町営袋田第1駐車場(スタート)
10:00
まずは駐車場を左に出て、横断歩道を渡って右に曲がります。
②登山口を入る
10:10
少し歩くと分岐路が現れますが、山に向かって真っすぐ進み、小屋の後ろから登山道に入ります。
すごく分かりにくい登山口です…。地図やアプリを確認しながら探してください。
はじめは落ち葉で覆われた登山道を登り始めます。
途中、倒木とかもけっこうあります。うまくよけながら進みます。
たまにONE PIECEの登場キャラ、海軍大将「緑牛」のモリモリの実にやられる姿を再現したりします。
歩くこと40分、ようやく生瀬富士の山頂が見えてきました!
ところどころ、踏み跡が分岐していることがあるので、地図はもちろん、標識や看板を確認しながら進んでいきます。
踏み跡がいくつもあって、どこを通るか分かりにくいことも。まめに地図やアプリを確認するのはもちろん、登山道にある標識やピンクリボンを探しながら登りましょう。
尾根づたいに歩いて行くと、だんだん高度感が出てきます。
あと少しで山頂!というところで、高さ3mほどの岩場が現れます。怖がらずにここの岩場を直登してください。ロープはあくまで補助、安定していそうな岩を選んで登っていきます。
岩場を登らず北側に回り込むような踏み跡がありますが、そっちに行くのは間違いです。たぶん岩場を避けたくて通った人たちの踏み跡かと。コースを間違えないよう注意してください。
山頂が見えてきました!
③生瀬富士の山頂に到着
11:20
まずは最初のピーク、生瀬富士の山頂に到着!
展望の良いパノラマビューを眺めながら休憩します。
生瀬富士の山頂で休憩していたらハート岩を発見! ゼルダの伝説ティアキンの、イワロックを倒すと出てくる「イワロックの心岩」のような。
休憩がおわったら、いよいよ茨城のジャンダルムに向かいます。山頂の東側にある岩の右側からアプローチします。
足を滑らせないよう、急斜面を降りていき…
ロープを頼りに、少し崩落した岩場を横切ると…
茨城のジャンダルムが見えてきました! ここからは馬の背になっていて、両側が切り立った岩場になっています。滑落しないよう慎重に歩きましょう。
とにかくここのコースは道幅は狭く、高度もあるので慎重に! ほかの登山客とすれ違う時も、譲り合って安全第一でお願いします。
④茨城のジャンダルムに到着
11:40
今回の目的地、茨城のジャンダルムに到着!
ちなみにジャンダルムのさらに向こう側には、奥久慈の山々と里山の景色が広がっていました。
茨城のジャンダルムを充分に堪能したら、生瀬富士に戻ります。
⑤生瀬富士~立神山を縦走
12:10
生瀬富士の山頂に戻ったら、今度はロープが張ってある南側の急斜面を下ります。
鳥獣保護区の赤い看板の左側から下りていきます!
浮石や落ち葉で滑りやすいので、足元を確保しながら慎重に下りてください。
斜面を降りて尾根づたいに歩くと、また登りになります。
⑥立神山の山頂
12:25
立神山の山頂に到着。標高420mと生瀬富士より高いのですが、山頂は木々に囲まれています。
立神山を後にして、さらに縦走をつづけます。設置されているロープや標識を頼りに、細かいアップダウンを繰り返し、尾根をズンズン歩いて行きます。
尾根の途中で、袋田の滝の温泉街が見えてきました。朝出発した駐車場も遠くに見えます。
⑦かずま分岐点
13:15
立神山を下りてから小高いピークを2つ通り抜けると、かずま分岐点の標識が現れます。袋田の滝を見に行く場合は、標識に従い「袋田の滝上」方面へ進みます。(もし下山する場合はここで「滝本」方面に下りましょう。)
⑧滝のぞき到着
13:25
かずま分岐点から10分ほどで滝のぞきに到着します。ポイントが近づいてくると「ゴーーー!!」と水の流れる音が聞こえてくるので分かりますよ。
ここからの眺めは絶景です! 4段となっている袋田の滝の全貌を見ることができます。12月なので完全氷瀑はしていませんが、ところどころ凍っている部分が見えました。
絶景なのですが、ここは断崖絶壁のうえ柵などもありません。もっとのぞいてみよう、いい写真を撮ろうと思って身を乗り出すのは危険です。足元に十分注意して滑落しないよう気を付けてください。
このまま真っすぐ下ることもできますが、若干距離もあるので、今回はかずま分岐点に引き返すことにしました。
⑨かずま分岐点~下山
13:45
かずま分岐点に戻ったら、「滝本」方面の斜面を下りていきます。
このルートは、例えるなら落ち葉で覆われた滑り台です…。急なうえに足元もスリップしやすいので一歩一歩ゆっくりと、足裏の感覚を確かめながら下りていきましょう。
斜面を下りきると砂防堰堤(さぼうえんてい)が現れます。ここは堰堤の上を右手に進むと下りられます。
⑩無事に下山!
14:20
登山コースが終わると、滝見館という宿と民家の間にある登山口に出ます。
振り返ると縦走した大子アルプスの山々が…。
滝見館を抜けると、袋田の滝の温泉街に到着。滝見橋を渡って駐車場に向かいます。ここからは平らな歩道をテクテク歩きます。
⑪駐車場に到着
14:30
無事にクルマを停めた町営袋田第1駐車場に到着しました! これで今回の登山コースは終了です。
まとめ:安全第一で「茨城のジャンダルム」を登ろう
この記事では、通称「茨城のジャンダルム」こと茨城県大子町の「生瀬富士」の登山コースや見どころ、危険な場所をまとめました。
体力的には初心者向きですが、岩場やロープ、クサリ場、切り立った崖など、高度感のある危険なルートが存在します。ぜひこの記事を参考にして、コースの注意点を把握して安全第一で山登りを楽しんでください。
茨城のジャンダルムを登った後は、温泉宿で一泊するのもありです。温泉と美味しい夕食で山登りで疲れた身体を癒したい、と思ったらぜひ楽天トラベルで検索してください。
ぜひムリのない計画で山登りを楽しんでください。
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