夏休みや冬休みになると、必ず頭をかかえる宿題として「読書感想文」があります。たいてい子どもは書き方が見えないので後回しにしてしまい、休みの最後になって「どう書いたらいいの??」となります。それで、この記事では、読書感想文を書く時の流れと、そのポイントについてまとめてみました。この記事を読めば、漠然としていた読書感想文の書き方が見えてくると思います。
はじめに構成(ストーリー)ありき!!
まず一番最初に理解すべきなのは構成(ストーリー)です。
子どもたちが作文を嫌がるのは、「何を書いたらいいのか分からない」のが理由です。であれば、何を書いたらいいのか、子どもが分かるように視覚化することが非常に大切です。
鉄板の構成案を次に紹介します
【ここがいちばん重要】基本の構成案
基本の構成案は上記の通りです!!
詳しい書き方は以降で説明しますが、まずは最初に親子で作文の流れを理解しましょう。
はじめに構成をつかんでおくことが大切なのは、以下の2つの理由からです。
- 自分がこれからどんな文章を作らなくてはならないか心構えができる。
- 場合によって、どの本を読んだら書きやすいかにも影響する。
つぎから、読書感想文の書き方を説明するにゃ↓↓
本を選ぶ
まずは本選びです。
学校の宿題ではたいてい推薦図書がありますので、その中から選ぶのが無難でしょう。その子の学年に応じた本が推薦されているので難しすぎたり、易しすぎたりしないからです。
推薦図書がいくつもある、または、本は自由というときは、子どもが一番興味がある本を選ぶのがベストです。そのほうが印象に残ったことや、学べることなどが心に残りやすくなりますので感想文が書きやすくなります。「どれが読んでみたい?」「気になるお話ある?」と子どもに促して選んでもらいましょう。それに子どもも、自分で選んだ本なら割と責任もって最後まで読もうとします。
子どもはどんな本が好きにゃ?読みたいと思える本を選ぶのがコツにゃ。
・わくわくする冒険もの
・偉人やスポーツ選手の話
・友達、家族の物語
・自然や動物で知りたいこと
推薦図書の選び方や、書くときのポイントはこちら↓↓
本を読みながらネタ探し&構成案を作る
本を決めたら、次はいよいよ本を読みます。
理想は2回読むこと。1回目は普通に読んで、2回目は作文に記載したいことをメモしながら読みます。
しかし、この記事をお読みになっているということは、休みも終わりに近づいていて、もう時間が無い方かもしれません。それでここでは1回の読書で進める方法を紹介します。
読む前に、構成案をノートに書き出す。
最初に紹介した構成案を、ノートに書き出しましょう。
その際は下図のように、メモを取るスペースを空けて書き出してください。
本を読みながらメモを取る
作文に書く構成を書き出したら、次はいよいよ本を読みます。
その際にただ読むのではなく、感想文として書くことができそうな、心に残る場面や言葉を探しながら読み進めます。もし、「ここが良いなー」という場面が見つかったら、その部分に付箋を貼り、ノートの「④心に残った場面や言葉」の下にメモを取りましょう。もし可能なら、その時に感じた「⑤心に残った理由」も忘れずにメモをしておくと、後々、作文に書き起こすときに役立ちます。
付箋やメモをしっかりと使って読むにゃ。
「わくわくした」「おどろいた」「悲しかった」「初めて知った」「自分と同じだ」「自分と違うな」と気づいたところで付箋やメモを取るとOK。
読み終わったら構成案をまとめる
本を読み終えたら、ノートに書き起こした構成案をまとめましょう。
付箋やメモをした内容を見直し、心に残ったことや理由を2,3案ほどに絞ります。
そして、構成案で空欄となっていた②きっかけ、③あらすじ、⑥本を読んで学んだこと、影響を受けたことを簡単でいいので思いつく限り書き出してみます。
この作業で大切なのは、100%完璧な文書を目指さないこと。まずは作文に書き起こすネタ集めの段階ですから、思い思いに、感じたことを書いてみましょう。
ネタの書き出しが終わったら、その中から最終的な構成案を決めます。
構成(ストーリー)の流れで、話しが一貫して通じる構成になると、読む人も伝わりやすい内容になります。そのことを意識して、きっかけやあらすじ、心に残ったこと、学んだことで何を書くか決めるとよいでしょう。
構成案の作成は、感想文で一番重要な作業とも言えるにゃ。
できれば子どもが構成案のメモ書きを作ったら、親も一緒に構成を見直してあげると、そのあとの作文の書き起こしがラクににゃります。
原稿用紙の使い方
原稿用紙に書き始める前に、必ず親子で使い方を思い出しましょう。
特に大切なのは、話しがかわる時には、必ず段落を変えるのを忘れないようにしてください。段落があることで、話しの区切りが分かりやすく、読みやすい作文となります。
↓↓以下は原稿用紙の使い方の例です。
作文に書き起こす
本当は一度ノートなどに原稿を書いてから見直しをして、2回目に作文用紙に書き出すと良い文章になります。しかし、時間がない場合は、1発勝負で構成案→作文用紙に書き出すこともあるでしょう(おすすめはできませんが…)。ここでは各構成をどう書くのか、例文も含めて紹介します。
①題名
特にルールはないのですが、読んだ本のタイトルを含めた題名とするのがオーソドックスです。
- ○○を読んで
- ○○との出会い
- ○○で私が学んだこと
- ○○で自由に生きようと決めた など
もちろん、読み手を引き付ける大事な部分ですので、時間がある時はもっとキャッチ―な題名を考えると書くのが楽しくなります。感じたことやテーマをそのまま題名としたり、心に残った言葉を題名にするなど、興味をひく方法はいろいろあります。
ですが、共通して言えることは、題名は内容に沿ったものとするべきということです。題名と内容がちぐはぐだと、読んでいる人は「あれ?何の話?」となってしまいますので。
実のところ、題名は最後に考えるのがおすすめにゃ!
そのほうが、感想の内容を踏まえ、的を得た題名とできるかにゃ。
②きっかけ
ここでは「なぜこの本を選んだのか」理由を書きます。低学年の子どもの場合、表紙の絵から読みたいと思ったのであれば、それでもOKです。
また本を読む前に、どんな気持ちだったのかをメモしておくと書くときに参考になります。
- この本を読もうと思ったきっかけは…
- 私は〇〇という本を選びました。その理由は…
- 図書館で1冊の本が僕の目に留まった。それは…
③あらすじ
私が子どもの時は、あらすじを細かく「書き写して」文字数をかせいだ記憶がありますが、これはあまりいいことではありません。なぜならあくまで感想文であって、本の紹介ではないので。
ここでは、そのあとに続く感想の前説明として「いつ、どこで、だれが、何をしたか」を分かりやすく短くまとめるようにするだけで十分です。
- この本は、○○が△△をすることで□□を目指していくお話しです。それは…
- 「○○」は、△△の体験をもとに書かれたノンフィクションです。今から□□年前…
④心に残った場面や言葉
ココが一番のメインです!! 文字数は全体の半分以上を占めても良いくらいです。
読んだ時のメモ書きを参考にしながら、しっかりと感じたことを伝えましょう。
心に残った場面や言葉を、「おどろいた」「うれしかった」「なぜだろう」「自分と同じだ」といった、読んだ時に感じた気持ちと一緒に書いていきます。
もし、書くことが少ないなと思ったら、本を読みなおして感じたことを再確認すると、初めは気づかなかった気持ちを感じることもあります。そのようにして、最低でも2,3ヶ所の場面や言葉をピックアップしておくと、自分の感じたことが相手にも伝わる文章となるはずです。
- この本で、特に心に残った場面が3つあります。ひとつは…
- 「○○」というセリフが特に忘れられません。これは…
⑤心に残った理由
上記の「④心に残った場面や言葉」と同時に書いてもOKです。
どうして心に残ったのかを詳しく書きましょう。
なんで気になったのか、なぜ自分の気持ちが動いたのかをメインに書くようにします。
- 私だったら○○と違って逃げ出してしまうと思います。ですが…
- 私も同じ気持ちになったことがあります。だから○○も…
- ○○の気持ちが変わったのは△△だったからだと思いました。きっと…
⑥本を読んで学んだこと、影響を受けたこと
本を読む前と後で、自分の中で変わったことを書きます。
初めて知ったこと、今後どう活かしていくか、といった自分への影響を詳しく書き出します。
もし可能なら、家族や友達に話してみて、考えたことを書くこともできます。
大切なのは、この本を読んで自分にどう影響があるかをしっかり書くことです。
- この本を通して、私は○○の大切さを学びました。これからは…
- 私は今まで○○と考えていました。しかし今は違います…
- ○○について初めて知りました。そのことは私に△△となるよう動かすものとなります…
⑦締めくくり
これは「⑥本を読んで学んだこと、影響を受けたこと」の流れで一緒に書いてもOKです。
自分はこれからどうしたいか、心に強く残ったことを一文書くことで、読み手の印象に残る文章となります。
- 私はこれからは○○を目指していきたいです。
- この本から、私は○○を学ぶことができました。
- ○○という、すばらしい考えに出会うことができました。
書き終えたら見直しをする
作文用紙に書き起こしたら、めんどくさがらずに必ず見直しをしましょう。
せっかく作り上げた文章ですから、最後のひと手間で格段にブラシアップできます。
次のポイントでチェックしてください。
- 誤字脱字はないか。
- 漢字は正しく書けているか。
- 句点「。」読点「、」かぎカッコ「」は正しく使えているか。
- 文の主語、述語は合っているか。
- 文末の「です・ます」調、「である」調は統一されているか。
このチェックも親子で行うとベストにゃ。
でも、せっかく子どもが頑張って書いた文章にゃから、
「今も良いけど、もっと良くなるよ」と
上手に促して、見直しをしてあげると良いにゃ。
お子さんの国語力をアップさせる方法
夏休みになると親も頭をかかえる読書感想文ですが、書き方の流れを理解することで、お子さんの感じたこと、影響したことを書き起こすことができるようになります。自分の考えたことを文章で書き起こすことで、お子さんにとって伝える楽しさを体験できるよい機会となります。
ほかにも、夏休みの宿題を早く終わらせる方法についてはこちら↓↓
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