うちではダイキンのエコキュート(システム:EQ37MFV、ヒートポンプユニット:RQW45MV)を使用していますが、最近エラー(J3)、(F3)が毎日表示されるようになりました。この記事では、その診断と原因と思われる吐出サーミスタの交換手順について紹介したいと思います。
※あくまで素人作業ですので、すみませんが参考にされる方は自己責任でお願いします。
ちなみに、家計を7万円も節約できた方法も紹介してます↓↓
エラーコードの内容
エラーが発生すると「ピーピーピー、ピーピーピー」とブザーが鳴り、リモコンのパネルに「警報」とエラーコードが表示されます。
エラーコードが「J3」と表示される理由
エラーコードが「J3」と表示される場合は温度センサー系の警報です。以下のような原因が考えられます。
- 断水や給水止水栓が閉じていたときに「J3」が生じます。心当たりがある場合は断水復旧後、または止水栓を開けてから、次項で記載しているエコキュートのリセットを試してください。
- 配管が凍結したときにも「J3」が生じます。気温が上がって解凍されてから次項で記載しているエコキュートのリセットを試してください。
※夜に浴槽のお湯を抜いてしまうと、凍結防止のお湯の循環ができず、配管が凍結することもあるようです。冬の寒い時期には浴槽のお湯は残したまま(循環口より上までお湯を残した状態!)にしましょう。 - 上記のような心当たりがない場合、室外機の基板やサーミスタに異常が原因となります。室外機のコンプレッサの吐出管温度に異常がある(またはサーミスタ、基板が壊れた)ようです。この場合は部品交換が必要なケースとなりますが、部品交換の前に一度、以降で記載しているエコキュートのリセットを試しましょう。
エラーコードが「F3」と表示される理由
エラーコードの「F3」は、室外機コンプレッサの吐出管温度が高すぎる、または低すぎる場合に発生します。以下のような原因が考えられます。
- 吐出サーミスタの不具合
- 基板の不具合
- 冷媒系統の不具合(冷媒不足・詰まり)
この場合は部品交換や修理が必要なケースとなりますが、部品交換の前に一度、以降で記載しているエコキュートのリセットを試しましょう。
リセット(初期化)して再現するか確認
エラーコードが表示された場合は、以下の方法でリセットをかけます。断水や凍結が原因であればリセットをすることで復旧することもありますし、一過性の故障かどうかを判断するためにも、念のため一度リセットを試すことをおすすめします。(それにリセットをしないとエコキュートが使用できず、直るまでお湯を沸かせなくなってしまい非常に不便です…。)
リセットするには、まず貯湯タンクに取り付いている漏電しゃ断器をOFFにします。漏電しゃ断器は写真の矢印部分にあり、つまみを緩めてカバーを開くと現れます。
漏電しゃ断器のレバーを下げるか、テストボタンを押すと漏電しゃ断器はOFFになります。OFFの状態で5分間待ちます。時間がたったらレバーを上げてONにします。これでリセットは完了です。
断水や凍結など一過性の故障であれば、このリセットで復旧しますが、この後も「J3」や「F3」が発生する場合は、室外機の吐出サーミスタや基板、冷媒系統が故障していることが考えられます。今回は残念ながらリセット後も「F3」が表示し続けました。ダイキンに修理を依頼すると吐出サーミスタの交換で約15,000円~かかります。自分で交換すると部品代の600円ほどで済むので、ダメもとで交換することにしました。これでOKならラッキーですし、ダメで修理を頼むことになっても600円なら「まあいいか」となるので。
吐出サーミスタを購入
まずはダイキンの公式サイトにあるパーツリストから部番を調査します。
↓↓詳しくはこちら
DAIKIN D-SEARCH 空調製品情報検索サイト
ここのパーツリストを調べると「吐出サーミスタ」の部番は1960220であることがわかりました。しかし、こちらは現在廃番のようで、今回は代替品の2254207を購入しました。
ネットで調べて分かった部番だけ参考に記載します。RQWで始まる名称はいずれもヒートポンプユニットの機種名です。(あくまで参考ですのでご自身の判断で購入をお願いします!)
2254207(1960220, 2030362代替品)
RQW45MV、RQWN45LV,RQWN45LVE,RQWN45LVH,RQW45LV,RQW45LVE,RQW45LVHなど
2026293(1520901,152090J代替品)
RQW45FV、RQW45FVE、RQW45FVH、RQW45HV、RQW45HVE、RQW45HVHなど
2353762
RQW45WVH
吐出サーミスタの交換手順
今回修理するのはエコキュートの室外機です。吐出サーミスタはこの中に取り付けられています。では順を追って分解の仕方を紹介します。
①漏電しゃ断器をOFFにする
まずは貯湯タンクにある漏電しゃ断器をOFFにします。このしゃ断器をOFFにすれば室外機へ電源が行かなくなるので、安全のため必ず作業前にOFFにしましょう。
漏電しゃ断器をOFFにしたら10分間待ちます! 切断後でも高電圧部品が充電している場合があります。必ず放電するまで10分間は手を触れないように注意しましょう。
②天板を取り外す
まずは天板の横にあるタッピングネジ4本を外します。
タッピングネジがサビついている場合もあるので、電動インパクトなどは使用せず、ネジを舐めないよう手で緩めることをおススメします。もしサビがひどい場合は、以下写真のようにハンマーで「コンコン」と軽くたたくと緩めやすくなります。
③吹出グリルを取り外す
次に吹出グリルのタッピングネジ4本を取り外します。
吹出グリルはツメで留まっているので無理に外さず、上部が離れたら、上へ持ち上げると外しやすくなります。
④前板を取り外す
前板に取り付いているタッピングネジ6本を外します。
前板は向かって右側から外すと取り外しやすいです。左右共にツメで引っ掛かっていますので、軽く持ち上げ気味で取り外してください。
⑤防音材をめくる
コンプレッサは茶色い防音材でくるまれています。留め具のタコ糸は縛られてはなく、ただ巻き付いているだけです。グルグルと解いていきます。
防音材をめくると、いよいよ吐出サーミスタが見えてきます。
⑥断熱筒を取り外す
カッターを使用し、ウレタンの切れ込みに沿ってビニールテープを開封します。開封したら断熱筒を取り外します。
⑦吐出サーミスタを取り外す
まず吐出サーミスタと基板をつないでいるコネクタを外します。コネクタのロックを押しながら接続を外してください。
吐出サーミスタは金属の固定具で吐出管に取り付いています。クリップのように挟まっているだけなので固定具を押し外すことができます。
ついに吐出サーミスタが外れました!! 固定具は再利用するので無くさないように注意してください。
⑧吐出サーミスタの確認
外観の比較です。気になるような損傷は見られませんでしたが、新品と比較すると被膜やサーミスタ部分が劣化しているようです。
次にテスタで抵抗値を測定しました。
この日の気温は8℃。旧サーミスタは35.4kΩ、新サーミスタは37.5kΩと、約2kΩの開きがありました。詳しい仕様は不明なのですが、サーミスタは温度が高くなると抵抗値が下がる特性を考えると、新品より抵抗値が低いため、規定より早めに警告を出してしまうのかもしれません…。
⑨吐出サーミスタを取付ける
新品のサーミスタ部分に固定具を取付けます。
吐出管にサーミスタを取付けます。外す前と同じコードの向きになるように注意してください。そうしないとコードが引っ張られたりゆるかったりで損傷の原因となります。
コネクタも忘れずに接続しましょう!
⑩断熱筒を取付ける
幅50mmのビニール粘着テープを用意します。
断熱筒の周りを覆う長さにビニールテープをカットし、上の写真のように断熱筒に貼り付けます。
そうしたら、吐出管と吐出サーミスタを覆うように断熱筒を巻きつけます。
⑪取り外した部品を復元する
あとは取り外した順に部品を復元していきます。すべて復元されたことを確認したら、漏電しゃ断器をONにしてください。
⑫リモコン表示を確認する
無事にモニターが表示されました。湧き上げも試しましたがエラーコードは表示されず正常に運転をしつづけています!!
→とりあえず3か月たちましたが、毎日発生していたエラーコードは交換後はぴたりと発生しなくなりました。やはり吐出サーミスタが劣化して悪さをしていたのだと思います。
作業はこちらで完了です。初めてエコキュートの修理を行いましたが、大変だったのは吐出サーミスタの部番を調べるところでしょうか…。冷媒系統の故障だと修理費10万円コースかも…とおびえていたので、今回600円程度で修理ができてほっとしました。
※こちらはあくまで素人作業ですので、すみませんが参考にされる方は自己責任でお願いします。個人による分解で起きてしまった故障および損傷は、メーカー保証の対象外となる場合がありますのでご注意ください。心配な方はメーカーへ修理を頼まれることをお勧めします。
ちなみに、家計を7万円も節約できた方法も紹介してます↓↓