この記事では、Nintendo SwitchのProコントローラー(以下プロコン)について、勝手にキャラや視点が動いてしまう(ドリフトする)原因と、プロコンを自分で分解してメンテ・修理する方法を紹介します。パーツの仕組みから詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事で修理するのはNintendo SwitchのProコントローラー(任天堂純正品)となります。
※自分で分解すると保証やメーカー修理が受けられなくなりますのでご注意ください。以下で紹介する手順は自己責任でお願いいたします。
ちなみに、家計を7万円も節約できた方法も紹介してます↓↓
プロコンが勝手に動く原因について
Nintendo Switchのプロコンにおいて、キャラや視点を動かすのは各L・Rスティックを使用しますが、今回の故障の原因は、このスティック内部で使用している可変抵抗器という電子パーツの不具合に起因しています。
実際に分解した写真がこちら。それぞれのスティック1本に対し、2個づつ取り付いている緑色のパーツが可変抵抗器です。
各スティックを動かすと、上下(Y軸)と左右(X軸)で1つづつ可変抵抗器が回転する仕組みになっています。
可変抵抗器が回転すると抵抗値が変化し、各端子の電圧が変化します。その電圧変化をマザーボードが読み取って、プレーヤーの操作を把握する仕組みとなっています(下図参照)。
しかし、ここの抵抗にホコリやゴミが入り込むと抵抗値が変化してしまい、スティックを触っていないのにマザーボードは「プレーヤーが操作してる」と勘違いしてキャラや視点を勝手に動かすようになってしまいます…。
つまり、可変抵抗器の接点に挟まったホコリや汚れなどが原因となります。なので以降からは可変抵抗器に挟まったホコリなどを取り除く手順を紹介します。
応急処置でホコリを除去する方法
とりあえず、すぐに直したい場合は各スティックの根元にエアダスターを吹きつけてみてください。スティックにすきまがあるので、そこを狙ってエアーを吹きます。
これで(運が良ければ)ホコリが除去されて、勝手に動かなくなったら成功です。
もし、これでも勝手に動くようであれば、次は分解してホコリを取り除くことを試してみましょう。
プロコンを分解するのに必要なもの
まず作業前に、工具やメンテ用品を準備します。
↓プロコンを分解するのに必要な精密ドライバーは「+0」というサイズになります。
↓カバーを分割するリムーバー(プラスチック製)
↓ゴミを取り除くのに使用するピンセット
↓ホコリを飛ばすエアダスター
↓接点復活剤は安定のKUREがオススメです。
プロコンを分解して清掃する手順
以降からは、プロコンを分解して清掃する手順を紹介します。
※自分で分解すると保証やメーカー修理が受けられなくなりますのでご注意ください。以下の手順は自己責任でお願いいたします。
1.グリップの先端に2本のネジが取り付いています。
↓精密ドライバー(+0)で緩めるのですが、ここのネジは非常に固いのでなめないよう注意してください。緩める際は、ドライバーの先端がしっかりと差し込まれているのを確認し、垂直に、しっかりと押し込みながら力をかけます。
なめないようネジを回すポイントは3つ!
①ドライバーをネジ穴の奥までしっかり入れる。
②ドライバーを垂直に差す。
③ドライバーを押し込むように力をかけてゆるめる。
もし運悪くネジをなめてしまった場合、なめたネジを外す方法をまとめた以下の記事を参考にしてください↓↓
2.ネジが外れたら左右のグリップを取り外します。
3.グリップが外れたら背面にある4本のネジを外してください。
4.ネジを外したらバッテリーカバーを外します。カバー下側の隙間からこじ開けると外しやすいです。
↓隙間にリムーバーを差し込み、軽くこじってバッテリーカバーを取り外します。意外と簡単に外れますが、念のため慎重に作業してください。
5.バッテリーカバーが外れたら、ツメを引っかけてバッテリーを取り外します。
もし、使っていてすぐに充電がなくなる…などバッテリーが弱っているなら、この流れで交換することもできます。純正品のプロコン用バッテリー(CTR-003)は高価なので、ロワジャパン製の互換品が安価で入手できます。※純正バッテリーではないのでメーカー保証の対象外です。
6.裏面ケースにある5本のネジを外します。
7.プロコンのケースを分解します。以下の写真にあるようにグリップの外側からリムーバーを差し込みます。
↓こじ開けるコツは、隙間からリムーバーを差し込み、徐々にスライドさせて隙間をどんどん増やしていきます。
【注意!】ハンドル部分には、振動モーターが両面テープでくっついています。無理に剥がそうとせず、少しずつ様子を見ながら慎重にこじ開けてください。
↓こちらが開いた後です。写真のようにハンドル部分に両面テープが貼ってあります。また、フラットケーブルがつながっているので引っ張らないよう注意しましょう。
【お詫び】想像以上にニャンコの毛やホコリが入り込んでいました…。以降、汚い画像ですみません…。
8.フラットケーブルをコネクタから外します。
↓外す際は、まず黒いロックをツメで起こします。
↓黒いロックを起こしたら、指で引き抜くとフラットケーブルが外れます。
9.各スティックからラバーキャップをまっすぐ引き抜きます。
やはりスティックの中にもニャンコの毛が…。これが勝手に動いてしまう原因かも…。
↓分解はこれで終了です。ネジなど細かい部品を無くさないよう注意してください。
10.分解が終わったら、いよいよメンテナンスです。まずは掃除機やピンセットを使ってキレイに清掃しましょう!
掃除機は、吸い込み口に細いノズルを付けて作業すると効果的です。特に各スティックの根元(可変抵抗器)は念入りに吸い込んでください!
↓せっかく分解したので、他の部品もきれいにしておきましょう。カバーが透明なので、内側の汚れをウェットティッシュで拭き取ると、かなりキレイになりますよ!
↓掃除が終わった状態。だいぶキレイになりました。
11.清掃が終わったら、各スティックの根元(可変抵抗器)を狙い、エアダスターでホコリを飛ばします。スティックを回しながら吹きつけると効果的です。
12.最後の仕上げに接点復活剤を吹き付けます。接点復活剤は、可変抵抗器(緑部分)の内側を狙ってください。適量で充分です。吹き付けたらスティックを回してなじませます。
↓接点復活剤がマザーボードなどに垂れないよう、余分な液剤をティッシュで拭き取ります。
12.メンテはこれで終了です。あとは分解した逆手順で組み戻します。
↓フラットケーブルを差し込む時は、コネクタにまっすぐ差し込んでください。
↓そのあと、黒いロックを閉じてください。
↓ネジをネジ穴に入れる際は、ピンセットを使用すると便利です。
復元してみて、勝手に動かなくなったら成功です。うちのプロコンはこれでキャラや視点が勝手に動かなくなりました。また、以前よりも動作が滑らかになって子どもも大喜び!
それでもキャラや視点が勝手に動いてしまう場合は…
プロコンの分解・清掃を試してみても、勝手に動いてしまう場合は、可変抵抗器の故障が考えられます。可変抵抗器は可動部品なので、使用頻度が多くなると抵抗の摩耗や破損といった故障も発生します。そうなると残念ながらL、Rスティックの交換が必要です。
ちなみに各スティックの交換はハンダ作業が必要です。ハンダごてとハンダ吸取線、または吸引ポンプを用いて交換します。
スティック(可変抵抗器)は、ネットで購入できるのですが、ノーブランドのパーツは当たり外れが多いので注意してください。正直、スティックとハンダごて、ハンダ吸取線、フラックス、ハンダ線など準備することを考えると、新品を買ったほうが安心かもしれません…。
Nintendo Switchのプロコンを修理してみよう
今回の記事では、Nintendo SwitchのProコントローラーについて、勝手にキャラや視点が動いてしまう(ドリフトする)原因について、パーツの仕組みから詳しく解説すると共に、プロコンを自分で分解してメンテ・修理する方法を紹介しました。分解する場合は自己責任になりますが、新品を買うよりは安くすむので、一度試してみるのもアリかと思います。ぜひこの記事を参考にゲームライフを楽しんでください!
ちなみに、家計を7万円も節約できた方法も紹介してます↓↓