「ユーザー車検に挑戦したいけれど、自分でどこまで点検すればいいの?」
自分で車検を通す「ユーザー車検」を検討するとき、一番の不安要素は「事前点検とDIY整備」ですよね。

この記事では、まずはジャッキアップなしでできる車検前の基本チェックについて詳しく紹介します。
今回は、走行距離20万km超の過走行車を含め、軽自動車と普通車をどちらも「完全DIY点検」で一発合格させた筆者の実体験をもとに、工具なし〜基本工具でできる初心者向けの車検前事前チェック手順を徹底解説します!
⚠️ 【ご注意】 本記事は、筆者個人の実体験に基づくユーザー車検およびDIY点検整備の手順や節約ノウハウを解説したものです。 自動車の点検・整備は安全に直結する重大な作業です。作業を行う際は必ず安全対策を徹底し、ご自身の責任において実施してください。 車種や年式によって判断基準や状態が異なる場合があります。不安な点や異常を発見した場合は、無理をせず速やかに自動車整備工場や専門のメカニックにご相談ください。
DIYで点検できる範囲と必要な準備
「自前整備」と聞くと、車を持ち上げてホイールを外すようなハードな作業を想像しがちですが、今回の記事で扱うのは「ジャッキを使わず、目視と動作確認でチェックできる範囲」です。
1. 準備する道具(特殊な工具は一切不要!)
- LEDライト
- タイヤ溝計測用メジャー(またはノギス)
- ウェス(清掃用)
- パーツクリーナー(※油脂類の汚れに)
2. 最初のステップは「洗車」から!
点検に入る前の最初のステップとして、まずは車全体をキレイに洗車し、できれば下回りも洗車(または高圧洗浄)しておきましょう。
ボディや下回りが泥や油でドロドロに汚れていると、オイルの滲み・漏れや、パーツの亀裂・損傷といった重大な異常に自分自身で気づけなくなってしまいます。 ユーザー車検では汚れで「異常」を見落とすのを防ぐため、洗車が非常に重要です。

そもそも、車検の遵守事項に【泥等の付着がなく、装着等の確認ができる状態】であることが明記されています。それに検査員も人間ですから、汚れた車だと「メンテナンス雑かもしれない…」と警戒され、より厳しい目でチェックされてしまう要因になります。
事前DIY点検12項目!チェック手順マニュアル

自宅の駐車場で誰でもできる事前チェックポイントを12項目に分けて解説します。
① 灯火類(ライト全般)の点灯・損傷チェック
車検で特に多いのが「ランプの球切れ」です。
- 点検方法: ヘッドライト(ハイ/ロー)、ウインカー、ハザード、スモール、ブレーキランプ、バックランプ、ナンバー灯がすべて点火するか確認します。
- 一人で確認するコツ: ブレーキランプやバックランプは、夜間や壁際に車をバックで寄せて、ミラー越しに反射光を見ると一人でも確認できます。
- レンズ類: ひび割れから光が漏れている場合は交換が必要です(光が漏れない程度のうすいヒビならOK)。
⚠️ ヘッドライトの光軸と黄ばみについて
- 光軸ズレ: 車検コースで一番落ちやすいのが「ヘッドライトの光軸(向き)」です。事故で修理した、社外品のLEDバルブに交換した場合など光軸がズレてしまうことも。
自宅で光軸調整は難しいので、社外品バルブなら純正バルブに戻すか、事前に「予備検査場(テスター屋)」へ持ち込み、1,000〜2,000円程度で調整してもらうのが確実です。 - ダイヤル調整: 車内に「ヘッドライト・オートレベリング」のダイヤルが付いている車は、必ず「0」の位置に戻しておいてください。(「0」以外になっていると光軸が上を向き、確実に落ちます)
- レンズの黄ばみ: ヘッドライトのレンズが黄ばんでいると光量不足(6,400カンデラ未満)で落ちることも。黄ばみがあるときはカー用品店の磨き剤で落としておきましょう。
② エンジンルームのオイル・油脂類チェック
エンジンフードを開け、各種油脂類の「量」と「漏れ」を目視で確認します。
- エンジンオイル・ブレーキオイル・冷却水: リザーバータンクの「MIN〜MAX」の範囲内にあるか確認。減っていれば補充します。
- オイル漏れ・水漏れ: エンジン本体やホース類からオイルや冷却水がじわっと滲み出ていないかライトで照らして確認します。
- バッテリー端子: バッテリーのターミナル部に緩みや青白い粉(腐食)がないか確認します。
- ベルト類: ファンベルトなどに目立つ亀裂やひび割れ、極端な緩みがないか確認します。

オイルや冷却水は、取扱説明書をよく確認し、必ず指定のものを補充しましょう!
③ ワイパー&ウインド・ウォッシャー液
- ウォッシャー液: 補充口から液量をチェックし、しっかり噴射されるか確認します。
- ワイパー: ゴムの破れがないか確認し、作動させたときに水切りムラやビビリ音がないか試します。ゴムが劣化していれば新品に交換しておきましょう。
④ フロントガラスの傷・貼り物
- 傷・ヒビ: 飛び石によるひび割れや目立つ傷がないか確認します。
- ステッカー類: 運転席・助手席のドアガラスやフロントガラスに、指定以外のシール(お守りや不要なステッカー等)が貼ってある場合は剥がしておきます。(※車検ステッカーや点検ダイヤルステッカーはOKです)
⑤ 内装・警告灯(メーター周り)
- 警告灯: エンジンをかけた際、メーターパネル内の「シートベルト警告灯」「エアバッグ警告灯」「エンジンチェックランプ」などが異常点灯したままになっていないか確認します。点灯していると不合格になります。
- マーク類の有無: シフトレバー横のギアパターン([P][R][N][D]表示)や、ハンドルのラッパマーク(ホーンマーク)が消えていないか確認します。

意外と見落としがちなのですが、シートについているヘッドレストが外れていると車検は通りません。必ずヘッドレストを取り付けておきましょう。
⑥ ホーン(クラクション)
- 実際に鳴らしてみて、正常に音が響くか確認します。
⑦ 発炎筒(非常信号用具)の期限
- 助手席の足元にある「発炎筒」を取り出し、有効期限内であるか確認します。
- 期限切れの場合は、有効期限がなく買い替え不要な「LED非常信号灯」に交換しておくと今後の車検でもずっと使えるためおすすめです。
⑧ タイヤの空気圧・溝の深さ・ボルトの緩み
- タイヤの溝: 一番減っている箇所で「1.6mm以上」残っているか確認します(スリップサインが露出していたら一発アウトです)。
- ひび割れ: 側面に深い亀裂やひび割れがないか確認します。
- ホイールカバー: 検査コースでホイールナットの緩みチェック(ハンマーで叩く打音検査)を行うため、ホイールカバーは車検前に外しておきましょう。
⑨ 排気ガスの異状・マフラーの不具合
- エンジンをかけて空ぶかしし、マフラーから異常な黒煙・白煙が出ていないか、排気音がおかしくないか確認します。
- マフラー本体に錆による穴あきや排気漏れがないか、下から覗き込んで目視します。
⑩ サイドスリップ(ハンドルのズレ)のセルフ確認
- 直進の平坦な道路を低速で走行した際、「ハンドルを真っ直ぐにしているのに車が左右どちらかに大きくズレていかないか」を確認します。
- 大きくズレる場合は、車検コースの「サイドスリップ検査」で落ちる可能性が高いため、事前に予備検査場で調整してもらうのが無難です。
⑪ 走行中の異音・ガタツキ
- 走行中に足回りから「カタカタ」「ゴトゴト」といった異常な異音が聞こえないか、変な振動がないか確認します。異常がある場合は、車検で不合格となる「足回り・駆動系・ステアリング系」のゴム部品の劣化やガタツキの可能性があります。
⑫ ブレーキの利き・異音のチェック
- 実際に車を少し走らせてブレーキを踏んだ際「利きが悪くないか」を確認します。
- ブレーキペダルを踏んだときに「キーキー」といった異音が鳴らないか確認しましょう。異音がする場合は、ブレーキパッドが摩耗している可能性があります。
自分でチェックした内容を「点検整備記録簿」に書こう!

上記の12項目がチェックできたら、以前解説した「点検整備記録簿」の該当するマス目に「レ」印を書き込んでいきましょう! 自分でできる点検項目を埋めておくだけで、車検当日に記録簿を堂々と提出できます。
👉 点検整備記録簿の詳しい書き方や記号のルールについては、以下の記事を復習してください。
まとめ:車検前の基本点検はこれで完璧!
ジャッキを使わない基本点検だけでも、これだけの項目を事前に潰すことができます。

しかし、ユーザー車検で不合格になりやすい「足回りのブーツ類の破れ」「ブレーキパッドの摩耗」「下回りのオイル漏れ」等については、ジャッキアップして車の下に潜るか、ホイールを外してより詳しく点検する必要があります。
👉 「足回りやブレーキ周りもDIYで点検して不合格リスクをゼロにしたい!」という方は、次の重要保安部品に特化した実践編をぜひ参考にしてください。
👉 事前点検が完了したら、当日の受付から検査コースの立ち回りも事前にイメージしておきましょう!
⚠️ 【ご注意】 本連載でご紹介する内容は、筆者の実際の体験談に基づいたひとつの事例です。自動車の点検・整備は安全に直結する重大な作業です。作業を行う際は必ず安全対策を徹底し、ご自身の責任において実施してください。 不安な点や異常を発見した場合は、無理をせず速やかに自動車整備工場や専門のメカニックにご相談ください。万が一、本記事の情報を参考に作業・車検を行ったことで生じた事故・損害・不合格等について、当ブログおよび筆者は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。



