韓国旅行の移動手段といえば、高速鉄道のKTXを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、韓国にはKTXとは一味違う魅力を持った在来線「ムグンファ号」があります。のんびりした旅を楽しみたい方や、韓国の文化を肌で感じたい方には、ムグンファ号がぴったりです。
今回は、初めてムグンファ号に乗る方が安心して旅を楽しめるよう、清州空港駅からKTXに乗り換えるオソン駅までの短い区間を、実際に利用した体験を交えながら、チケットの買い方から乗り方、車内の様子まで詳しく紹介します。
ムグンファ号ってどんな列車?

ムグンファ号は、韓国の国花である「ムクゲ」から名付けられた、長い歴史を持つ列車です。
日本の急行列車に近く、主要都市を結ぶ重要な役割を担っています。KTXよりもスピードはゆっくりで停車駅も多いため時間はかかりますが、その分、運賃が安く設定されているのが大きな魅力です。
ほぼ全ての路線を走っているので、車窓からは韓国ならではの美しい景色をゆっくりと眺められます。
しかし、1977年から運用されている車両は老朽化が進んでおり、今後は新しい列車「ITX-マウム」にその役割を譲っていくそうです…。ムグンファ号に乗るなら今ですね。
ムグンファ号のチケット購入方法
ムグンファ号のチケットを購入する方法は主に3つあります。あなたの旅行スタイルに合わせて選びましょう。
1. 公式サイト「KORAIL」で予約する
日本にいるうちから事前に予約したいなら、公式サイト「KORAIL」がおすすめです。私も今回このサイトで予約しました。
サイトは日本語に対応しているので、韓国語が分からなくても安心して操作できます。チケットを予約・決済したら、スマホ画面でもOKですが、念のため印刷しておきましょう。
2. 公式アプリ「KORAIL TALK」で予約する
スマホアプリ「KORAIL TALK(コレイルトーク)」も便利です。こちらも日本語に対応しているので、初めてでも迷いません。画面は公式サイトとほぼ一緒です。
ムグンファ号を公式サイト・アプリで予約する詳しい手順はこちら↓
3. 駅の窓口や自動券売機で直接買う
現地の駅に着いてからムグンファ号のチケットを買いたい場合は、窓口か自動券売機を利用します。
特に清州空港駅の場合、清州空港1階にある案内所でチケットの購入が可能です。

案内所で目的地と人数を伝えるだけでチケットが手に入ります。韓国語や英語に自信がない方は、あらかじめメモに書いて見せてみましょう。
清州空港の案内所については、次の記事もご覧ください。
他の駅の場合は自動券売機でも購入できます。クレジットカード専用と現金も使えるタイプの2種類がありますが、表示は韓国語か英語なので、不安な方は窓口を利用するのがスムーズです。

当日購入では満席で乗車できない場合もあります。特に早朝、夕方、週末はできるだけ早めに予約しておくのがよいでしょう。
ムグンファ号の乗り方と車内【清州空港駅→五松駅】
ここでは、清州空港駅から五松駅(オソン)までムグンファ号に乗車した際の様子を詳しくご紹介します。まるで一緒に旅をしているかのように、清州空港駅の入り口から車内までを順を追って見ていきましょう。
※ここで紹介する内容は、2025年8月現在の情報です。
清州空港駅での過ごし方
清州空港から徒歩10分ほどで清州空港駅に到着します。

駅に到着すると、小さなホームが迎えてくれます。駅員さんは列車が来る時だけ出てくるようで、普段はひっそりとしています。


ホームの高さが日本に比べて低いので、足を踏み外して線路に落ちる心配はなさそうです。
ホームは上りと下りの2つしかありません。電光掲示板はないため、貼ってある時刻表をチェックします。翻訳後の画像はこちら。


今回うちが予約したのは、ムグンファ号1714、20:33発の列車なので、時刻表から上りの大田行きであることが分かります。
時刻表を確認したらホーム番号をチェックしましょう。私のときは、1番ホームがオソン駅方面でした。

チケットに書かれた列車番号を確認し、自分の乗る車両の位置で待ちます。

ホームには8人ほどでいっぱいになる小さな待合室があります。

今回、すでに待合室には人がいたので、外のベンチで待つことにしました。


真夏の旅行だったので、蚊に刺されないよう虫よけを塗りました。準備しておくと安心です。
ムグンファ号への乗車
ムグンファ号は予定より数分遅れて到着しました。先頭が機関車で、その後ろに客車が連なる姿は、日本の在来線とはまた違う雰囲気です。

いよいよ乗り込みます。ホームから出入り口まで段差があり、想像より高さがあります。大きな荷物を持っている場合は特に注意が必要です。小さなステップがあるので、足元に気を付けてゆっくりと乗り込みましょう。

ムグンファ号車内の様子
車両に一歩足を踏み入れると、想像以上に広々とした空間が広がっていました。日本の在来線のようなイメージと違い、座席は左右2列でゆったりとした作りです。

見た目は(正直に言うと)レトロな車両で使用感が高めですが、私が乗った車内は清掃はしっかりされていて清潔な印象を受けました。
ムグンファ号は全席指定です。事前に予約した座席番号の席を探して座ります。

大きなスーツケースは、車両の最後部にスペースがあったのでそこに置きました。小さい荷物なら、頭上の網棚に収納できます。


KTXのように連結エリアに荷物置き場はありません…。(全ての車両を確認したわけではないのですが)車両の最後部にスペースがあるので、早めに近い席を予約しておきましょう。
ちなみに今回、うちが予約した時の席はこちら。荷物が置けたのは赤色の部分です。

シートピッチ(座席と座席の間隔)も広く、足を組んでも余裕があります。足元にはオットマンもあって快適です。

座席の前にある収納ネットには、ペットボトルなどを入れられて便利でした。

オソン行きのムグンファ号には電光掲示板がなく、アナウンスは韓国語と英語のみです。乗り過ごさないように、通過駅をチェックするのと、手持ちの地図アプリで現在地をこまめに確認します。

清州空港駅から約20分で、目的のオソン駅に到着しました!
忘れ物が無いか確認し、ホームに降り立ちます。

ちなみに、KTXに乗り換えるには、ホームのエスカレーターを上がっていき、KTXのロゴマークをたどっていくとKTXのホームに着きます。
オソン駅で乗り換えるポイントについてはこちら↓

短い区間でしたが、ムグンファ号のゆったりとした車内と心地よい揺れのおかげで、リラックスした時間を過ごすことができました。
ムグンファ号の車内設備は?
ムグンファ号の車内には、旅を快適にするための設備がいくつかあります。
荷物置き場
専用の荷物置き場はありません。ですが、大型のスーツケースなどは(空いていれば)車両の最後部にあるスペースに置けます。機内持ち込みサイズの荷物なら、座席の上の棚に収納できます。
トイレ
車両には男女別のトイレが設置されています。
ラウンジ車両
運行区間によっては、休憩ができるラウンジスペースがあるようです。簡単な椅子とテーブルが設置されててちょっと和むのに良さそうとのこと。
コンセント
基本的に座席にはコンセントはありません(車両の最後部にあったのですが、使っていいのか微妙…)。ラウンジ車両があれば充電用のコンセントが備え付けられているそうです。

KTXと比べると、必要最小限の設備っていう感じでしょうか。
まとめ:ムグンファ号で心に残る鉄道旅を

今回はムグンファ号の乗り方や車内についてご紹介しました。
ムグンファ号は、高速で移動するKTXとはまた違った、韓国の日常や風景をじっくりと楽しめる魅力的な列車です。乗り方も簡単なので、初めての方でも安心して乗車できます。

ノスタルジックな雰囲気ただようムグンファ号に乗って、韓国の新しい魅力を発見してみませんか。